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「ベガー・ヨシジ」 著者:篠崎美江子

現在、この本は増刷待ちです。
注文が増刷部数に達しないと、なかなか読めないです。
興味を持たれた方は「保留注文」という形で頼んでもらえると良いと思います。
早く増刷されると良いですね。

最近、読みました。
斉田義二が尾上正一という青年と出会うことによって
物乞いをしていた義二の人生が、変わっていくというものです。
で、義二の身内では死んだものと思われ届けが出されて・・・
戸籍が無いということ。
青年と出会うまでは一人ぼっちだったということ。
(29年ぶりに人と話すって書いてありました)
そのまま、生涯を終えていれば、義二がどのように生きていたのか分からなかったという事。
青年も両親を亡くして一人ぼっちだったんですよね。
生と死・・・孤独・・・自分の存在・・・そして愛、慈愛の方が適切かな?
について考えさせられました。
過去はどうであろうと、義二のように人との出会いによって未来を
変えていけるって事ですよね。
それも義二のように自分から声をかけるってことです。
青年に声をかけなければ・・・誰にも知られずに孤独な生涯を終えていたでしょう。
ラスト付近は・・・途中から展開がなんとなく見えていたのですが・・・
それでも涙が自然とあふれてきました。
全体を通して、作者のやさしさや・・・・それこそ慈愛を感じました。


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「緑色の馬」 著者:篠崎美江子

篠崎さんの本をはじめて読んだのが、この本です。
今年1月、私の誕生日プレゼントとして、この本を贈って下さいました。
嬉しかったです。ありがとう。

思えば・・・確か今年の1月1日の私の書込みから始まったんですよね。
今、私の掲示板の履歴見てたら・・正月休み中パソコン開いてるし・・・。
1年が経とうとしています。あっという間ですね。
今年の1月22日,23日に那須へ8月13?16日も那須へ行ったんだよね。
たくさんの良い思い出が出来ました。8月は子供達も喜んでましたよ。
ありがとう。

この物語は、普段通っている道、店が突然消えてしまうという所から始まります。
近くの人も、そんな道や店を覚えていない・・・という。
これも・・・「ベガー・ヨシジ」と共通している所がありますね。
そうそう、必ず主人公の青年の勤めている会社に世話をやいてくれる年配の女性が登場する所もね。
共通するという所は・・・「存在」について・・・。
あとがきに、こう書いてあります。「存在は無償だ」

なんかね、読んでいて主人公の青年の過去と自分の過去とダブルところがあって
(状況は似ていないんだけどね)
妙に親近感が出てしまい・・・やはりラスト付近で涙してしまいました。
涙もろいんです。この年になっても・・・。

また、篠崎さんの本が読んでみたいです。

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実は「存在」について・・・前の日記にも書きましたが「MONSTER」もそうなんですよね。
方向性がぜんぜん違うんですけど・・・。
双子のヨハン・リーベルトとアンナ・リーベルトは恐ろしい実験のために、
生まれたときから名前が無く、孤独を通り超えた恐怖、闇を経験してきた。
ヨハンはその仕返しとして、自分の過去を知っている人、
その実験に関わって来た人の周りの人を殺害していく。
ヨハンの事を知る人が居なくなればヨハンはヨハンでなくても良い。
だから、いくつもの名前を持つ。
実験に関わってきた人の周りの人が消えることで、その人の孤独、
存在価値?、恐怖というのを味あわせたかったようです。
そう、自分について知っている人が居なくなれば・・・
そんな兄を許せなくてアンナはヨハンを撃つべく探しに旅に出るのですが、
アンナ自身の過去の記憶が蘇って・・・。
最後にアンナはヨハンを許すんです。
主人公はDr.テンマなんですがね。。。